30歳男性、現在はスパイラルダクトを製造する中小企業で総務・経理を担当しています。最近中途採用で入社し、勤続年数は2年です。年収は350万円ほど。
主な仕事は日々発生する伝票の入力や銀行周りで、会社の資金繰りを管理しています。
また、従業員の勤怠や保険関係の書類の提出や管理も行っている、「会社の何でも屋」的な立ち位置です。
【 総務の仕事が抱える問題点 】
今までは請求書を見て人間の手で伝票等を作成していましたが、IT化が進めばすべてAIが作ってくれるようになり、その分の人手が不要になります。
経理ソフトと銀行残高がインターネット上で連携することで、必要な仕訳をすべてソフトウェアが自動で行ってくれるため、それまで事務員が行っていた仕事がほとんどなくなります。
労務関係の書類作成もいずれフォーマットができて従業員が簡単に提出できるようになり、提出もインターネット上で済むため、わざわざ役所に行く必要もなくなり総務・経理部の仕事が無くなっていきます。
AI自動化の時代にどうやって総務の仕事が生き残るのか?
総務・経理の仕事は業界問わずどんどん削減されていくと思います。
特に伝票作成や、仕訳作業などの事務作業をしている事務員の仕事はあっという間になくなっていくでしょう。
人間の手よりもコンピュータの方が正確ですからね。
しかし、だからと言って経理・総務の将来性がないとは思えません。
なぜなら銀行周りや実際に資金繰りを考えるのは、人間でなくてはならないからです。
お金の動きというのは常に人と人との付き合いの上で発生します。
それが常に合理的な判断でのみ動くのであればAIが行ってもいいのでしょうが、時として非合理とも思える判断が、銀行や得意先との円滑なつながりを作り出すこともあるのです。
人が会社を動かしている以上、恩や情で動くことがよくあるためそのあたりの判断はAIにとっては難しいと考えます。
また銀行での借り入れについても、今までの融資判断は決算書の数値での客観的なものが重要視されていましたが、これからは事業性評価と言って会社の将来性や、社長の人間性を重視するようになっています。
それをしっかり伝えることができる経理担当者も必要になってきます。この辺がAIのロボットには難しい・・。
AIには教師データーが必要で人柄を判断する機能は作りにくい
入力されたデーターだけで完全にその人柄を判断する時代はまだ来ていません。
要するに数字では見えないところが重要視されてくるようになるのです。
そうなってくると余計にAIでは対応ができず、人間に頼らざるを得なくなってきます。
よくAIの時代には人間味のある仕事が残ると言われていますが、経理・総務といった事務的な仕事にも人間味のあふれる仕事はまだまだ存在しているのです。
事務的な作業のみを任されている社員などの仕事は間違いなく無くなっていくと思われますが、会社の方針に関与する社員や銀行付き合い、得意先との支払交渉などができる社員は間違いなくAI時代においても仕事を任され続けるでしょう。
またどんな企業にも必ず、総務・経理部門というのは形が変わっても必ず存在するため、一つの会社で必要とされる人材になれれば、ほかの企業に移っても必要とされる可能性が非常に高いのも総務・経理ならではでしょう。
いかに単純な事務作業員にならないかがポイントだと思います。
実際AIを使いこなせる若手の総務や経理は需要がある
経理・総務全体の仕事の多くは間違いなくAIにとって代わられると思いますが、その中でも生き残るためには銀行との関係づくりや得意先との交渉などの人でしかできないコミュニケーションをとれるようになっておくことが大切だと思います。
そのポジションになかなか入れないという人は難しいと思いますが、大手では難しくとも、中小企業の総務・経理などはどこも人手不足で、かつ担当者が高齢化しているため、重役のポストを探している可能性が高いです。
現に私も中途入社ですが、今の総務・経理部長が75歳で間もなく退社するためその後任を担うことになっています。
また中小企業の経理担当者が高齢の場合、多くの企業ではうまくIT化ができておらず無駄な経費を払い続けていることが多いです。
手形も電債化せず、インターネットバンキングを使わずわざわざ遠くの取引銀行まで行っているというケースもあります。
こういったことをITに慣れた若手の社員が率先して変化させていくことで、経費の削減をすることができるでしょう。
経理ソフトはどんどんIT化され、知識さえあればいくらでも効率化できるため、経理ソフトに任せられるものは経理ソフトに処理を任せて、銀行づきあいなどのソフトに任せられないところに力を注ぐことが大切です。
銀行付き合いがしっかりしていれば銀行は困ったときにしっかり助けてくれます。中小企業の経営は銀行との付き合いが要なので特にこういったことができる人材は今後も重宝され続けるでしょう。
また今後は外国人労働者が多く入ってくる可能性があるため、個人的に英語の勉強もしています。
総務としてあらゆる場面にも対応できるようによりスキルアップしておこうと思っています。
時代の変化が激しい分、その時代にいかについていけるかがカギとなるでしょう。
総務で転職するなら中小を狙え!ライバルは少なく仕事も楽
どんな業界でも、総務・経理として仕事をしていきたいのであれば、今は大手の会社ではなく、小さな中小企業がねらい目だと思います。
大手ではなかなか大きな仕事を任せてもらえず、雑用的な使われ方をされてしまう可能性がありなかなかスキルアップすることができません。
しかし、中小企業であればどんどん大事な仕事を任せてもらえる可能性があります。
人がいないので任せざるを得ないというのが現状でしょう。
しかし、そこでしっかりと仕事をこなすことができれば一気にスキルアップできますし、実績も残せます。
そこでITを活かした業務フローの見直しや、経費削減を行うことができれば社内での価値は一気に上がります。
銀行周りや得意先との交渉能力が加われば、その会社では手放せない人材になることができるでしょう。
いかに人にしかできない仕事をするか、それがAIにとってかわられないための最大のポイントです。
どんな仕事でも人と人とが交わるところには感情が生まれ、その感情がビジネスにおける選択に影響を与えます。
またひらめきなどのインスピレーションもAIにはまねできない、人間固有の性質であり、これも仕事においては非常に重要な要素です。
人と人との間で感情やインスピレーションを活かした仕事ができれば絶対にAIにあなたの仕事を取られることはありません。
どんなに事務的に見える仕事にも、必ず人と人とが接する場面が存在します。
そこでいかに人間味を活かした仕事ができるか。それがこれからの時代を生き抜いていくために重要な要素だと思っています。
今、直接的に人間味のある仕事を任されていなくても、必ず誰かと仕事をしているはずです。
そんな一緒に働く人たちとの関係性をよくしていくということも、より良い仕事をするうえで大切な部分だと思います。
小さなところからでも、「私だからできる仕事」というものを常に探求していく姿勢があればAI時代を生き抜くスキルは自然と身についていくと私は考えています。